みなさん
「家族が亡くなって
遺産を相続するときになった」
という話はよく聞くと思います。
でも、具体的にどんな流れで
遺産を受け取ることになるのかは、
あまりご存知ないかなぁと思います。
というのも、
行政書士として相続のお手伝いをしていると
「相続っていつでもできるよね?」
「現金があったから勝手に持って帰って
もう自分の通帳に入れちゃった♡」
「あの家は私が相続すると思うから
もう引越し業者手配したんだー♪」
などなど、それぞれ自由な方法と時期で
みなさん相続しちゃうんです( ´艸`)
相続は頻繁に縁のある手続きではないですから、
方法などがわからなくて当然です。
そこで今回は、
- 遺産の受け取り方法
- 遺産を受け取るまでの流れ
- 不動産を受け取った場合の遺産の使い道
- 相続放棄をする場合はどうしたらいい?
について詳しくご説明します。
相続は一歩間違えるだけで
大きなトラブルに発展し、
骨肉の争いを生むおそれもあります。
どんなに少額で単純な相続でも、
法律にのっとった方法で手続きすることが
今後の円満のために大切です。
遺産の受け取り方法とは?
遺産の受け取りには
法律上3つの方法があります。
- 単純承認
- 相続放棄
- 限定相続
単純承認はふつうの相続で、
故人のすべての遺産を
相続人全員がわけわけして相続します。
相続放棄は単純承認の逆で、
故人のすべての遺産を
相続人全員が放棄します。
遺産には預金などプラスの財産だけでなく、
借金などマイナスの財産もあります。
プラスに比べてマイナスが大きい場合には、
いっそ放棄してしまったほうが
遺族の負担が少ないのです。
相続放棄の仕方などについては
のちほど詳しくお話ししますね。
限定承認は、簡単に言うと
プラスの遺産の範囲で
マイナスの遺産も相続する方法です。
たとえば故人に100万円の預金と
200万円の借金があった場合、
限定承認が認められれば
遺族は100万円で借金の返済を行えば
残りの借金100万円の返済をしなくてすみます。
この3つの方法のうちどれにするのかは、
相続人全員で決めなくてはいけません。
兄は単純承認、弟は相続放棄など
それぞれが好きな方法を選ぶことはできません×
遺産の受け取りにはどのくらいの日数がかかる?
遺産の相続は通常
49日法要が終わってから始まります。
そのため、遺産の受け取りには
故人の死亡から2か月以上の日数が
かかることがほとんどです。
遺産を受け取るまでの流れ
遺産を受け取るためには、
次の8ステップを踏まなくてはいけません。
ステップ | 詳細 |
1.死亡届けの提出 | 死亡から7日以内に、 故人の住所地の市役所に 提出します。 |
2.遺言書を捜索 | 遺言書があればその通りに、 なければ法定相続割合で 遺産を分割します。 |
3.相続人の確定 | 故人の戸籍をもとに、 相続人を確定します。 |
4.遺産の確定 | 故人の遺産を すべて把握します。 預貯金などプラスの財産 だけでなく、 借金などマイナスの財産も 遺産です。 |
5.相続方法の決定 |
の3つの方法のうち、 |
6.遺産分割の決定 |
を決めます。 |
7.故人の準確定申告 | 故人の1月1日~死亡日までの 所得を申告します。 |
8.相続人の相続税確定申告 | 相続税の確定申告をします。 |
このすべてを終えれば、
法的に正しく
遺産を受け取ることができます。
不動産を受け取った場合の遺産の使い道
家や土地といった不動産を
遺産として受け取った場合、
どんな使い道がベストなのでしょうか?
おすすめは、
- 不動産を売却
- 不動産の有効活用
- 売却や活用の利益で資産運用
- 寄付
の4つの使い道です。
不動産は
「相続税は現金で納めないといけないから
なんか損した気分になる」
「田舎の土地なんて使いようがない」
など、ちょっと不人気だったりもします。
しかし、せっかく故人が残してくれた財産です。
思い切って売却したり上手く活用したりして、
生きた遺産にするのが理想です(*^^*)
不動産や預金の賢い使い道については
⇒親の遺産の使い道!賢い5つの使い方とは?
をご覧ください。
相続放棄をする場合はどうしたらいい?期限はあるの?
プラスの財産よりも
マイナスの財産が多い場合は、
相続放棄をするのも1つの方法です。
相続放棄は、
- 相続人全員で「相続放棄をする」と決める
- 相続放棄申述書を作成する
- 家庭裁判所に相続放棄申述書を提出し、
相続放棄を申し立てる - 家庭裁判所から照会を受ける
(郵送・電話・面談。省略の場合もアリ) - 家庭裁判所から受理通知書が届く
という5ステップで行います。
相続放棄申述書は
家庭裁判所に備え付けてありますし、
ウェブ上でダウンロードも可能です。
書く内容も難しくはなく、
手続き自体は簡単です。
しかし!
相続放棄は相続が発生してから3ヶ月以内に
行わなくてはいけません。
一般的に相続について遺族が話し合うのは
49日が終わってからですから、
3ヶ月というとそんなに猶予がありません。
できるだけ早く
プラスの財産とマイナスの財産を把握し、
相続放棄するかを決めなくてはいけません。
3ヶ月以内に相続放棄の手続きをとらない場合、
単純承認とみなされて
マイナスの財産もすべて相続することになります。
※天災などの事情によっては
3ヶ月の期間は延長されます。
まとめ
いかがでしたか?
遺産を受け取るには
- 死亡届けの提出
- 遺言書を捜索
- 相続人の確定
- 遺産の確定
- 相続方法の決定
- 遺産分割の決定
- 故人の準確定申告
- 相続人の相続税確定申告
という8ステップが必要です。
相続人が確定する前に
勝手に故人の物を持ち帰ったり、
相続税の確定申告を怠ったり
してはいけません×
一般的に遺族が相続を始めるのは
49日が終わってからです。
そのため、遺産を受け取るまでには
2ヶ月以上かかる場合が多いです。
相続には
- 単純承認
- 限定承認
- 相続放棄
の3種類があります。
相続放棄は3ヶ月以内に手続きは必要なので、
49日が終わった後すみやかに
相続について遺族の意見をまとめましょう。