定年退職をしたとしても、最近ではその後も
働くことが一般的になりつつあるため、
これで失業保険の給付を
認めてもらえるケースが増えましたが、
気になるのが待期期間です。
一度でも貰ったことがある方なら
ご存知と思いますが、失業給付には
退職の理由によって一定の待期期間が
ありますからね。
実際にFPである筆者は、定年退職した方から
失業保険の待期期間について相談された事も
ありますから、やはり気になるでしょう。
そこで今回は、定年退職時の
失業保険の待期期間について
お伝えします。
あなたの老後に、お役立て下さいませ。
定年の失業保険の待機期間は何日?
定年の失業保険の待期期間は、大きく
「会社都合退職」か、それとも
「自己都合退職」かで異なります。
会社都合退職の場合は、
待期期間は7日間だけですが、
自己都合退職の場合は、さらに
3ヶ月間の待期期間が追加される
制度設計です。
ちなみに一般的な解釈で定年を言えば、
本当に定年で退職した場合には
会社都合退職になるものの、
最近では再雇用が浸透しているため、
それを蹴って辞めたのなら
自己都合退職となります。
自己都合で辞めたのなら、ちゃんと
生活への準備もしているハズなので、
それを使って当面は凌ぎましょう。
定年の失業保険には給付制限がある?
定年の失業保険というより、
自己都合退職の扱いで失業給付を
受ける場合には給付制限があります。
これはいわゆる「一般の離職者」なのですが
この場合には仮に10年未満の勤め期間なら
90日分、20年以上勤めていても
150日分までが限度です。
ちなみに、そもそも失業給付の受給期間は
原則1年なので、人生100年時代を考えると
長くなく、どうしても働くまでの
繋ぎであるのが基本といえます。
同時に年金をもらうようになっても、
やはり年金だけでは生活できない事も
多いので、失業給付が貰えている間に、
次の働き口を探した方が無難です。
高年齢求職者給付金とは
高年齢求職者給付金とは、簡単に言えば
「65歳以上の方に対する失業保険」です。
そして、通常の失業給付なら
最大330日分が受け取れますが、こちらは
最大でも50日分しか受け取れない代わりに、
年金との併給が可能となっています。
ちなみに3ヶ月の待期期間(給付制限)は
同様です。
なお、仮に手続きしたとしても、
実際にお金が口座に振り込まれるのは
「手続きから約1ヶ月後」になりますから、
多少の余裕は残しておく必要があります。
最近では老後破産状態になっている事も
多く、一ヶ月も待てない方もいますから、
充分に注意しておきましょう。
定年退職の場合、失業保険はいくらになる?
定年退職の場合の失業保険は、およそ
勤めていた時の45~80%が
貰える事になります。
ちなみに給付率は、簡単にいえば
「賃金が低い人ほど割合が高い」です。
また基本手当の日額上限は約7000円と
なっていますから、仮に
90日分もらえるなら最大で約63万円と
なります。
なお、あくまでも失業給付というのは
「再就職までの繋ぎ」という性格であり、
しかも今では早期に再就職を果たせば
残額も貰える制度設計のため、
早期に再就職先を探すことが大切です。
ただでさえ高齢者の就職事情は
過酷ですから、必死になって
探していきましょう。
定年退職の失業保険の手続き方法!
定年退職の失業保険の手続きは、
通常の失業保険の手続きと
特に変わりません。
離職前に被保険者期間が1年
または6ヶ月以上ある事を前提に、
ハローワークへ行って求職の申し込みを行い
働こうとしている意思表示をする事に
なります。
あとは働ける健康も大切でしょうか。
ちなみに注意点が「働く意思」
という点です。
先ほども触れた通り、失業給付は
「再就職までの繋ぎ」という性格なので、
今後もう働く気のない方には
支給されません。
そして昨今では、定年までに
残り40年分の貯金ができている事は稀なので
以後も働く意欲を燃やしておくことが
大切です。
再雇用者に失業保険の受給資格はある?
再雇用者であっても、
失業保険の受給資格には関係ありません。
離職の日より前2年間に、被保険者期間が
通算して12ヶ月以上あれば(倒産など
一定の場合は前1年間に6ヶ月以上)、
何度でも失業給付はもらえます。
貰える限りは、
なるべく貰っておきましょう。
ただし、繰り返しですが失業給付は所詮
「再就職までの繋ぎ」なので、
普通に再就職して普通に給料をもらった方が
金額も安定感も上なことが多いです。
最近では非正規労働も増え、
普通に働きたくても働けない方も多いですが
だからこそ失業給付を活用しつつ、
安定雇用を狙っていきましょう。
なお、受給資格をもっと知りたい方は
以下の記事も参考にどうぞ。
⇒定年退職の再雇用!失業保険の受給資格はあるの?【徹底解説】
ホント、気になりますよね…。
まとめ
気になる方は動画もどうぞ。
今回の記事では、
定年退職での失業給付について
複数の角度からお伝えしました。
失業給付が気になるのはともかくとして
再就職先を気にした方が無難です。
むしろ定年してからでは厳しいので
ぜひ事前に準備を重ねておきましょう。